多くの企業は成長の鈍化によってこれまでのように新規労働力の採用を年々拡大しつづけることはできず、また人口高齢化という労働力供給側の制約要因からも、かつてのようなピラミッド型の労務構成を維持することはできなくなっている。多くの企業の年齢労務構成はズンドウ型あるいはむしろ頭デッカチ型になっている。こうなると定期昇給はそのまま企業の労働費用負担の増大になる。企業の生産性が年々大幅に上昇していればよいが、そうでなければ定期昇給による年々の二圭二%の賃金率上昇はそのまま企業の労働費用負担の増加になる。
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現実の経済環境は大きく成熟化しつつあるから、これからはかつてのような大幅な生産性上昇は見込み難いだろう。とりわけサービス化か進み、労働集約的な部門の比重がふえてくればなおさらである。したがって、定期昇給があっても企業の付加価値に対して労働費用が相対的に低下したような高度成長時代とは全く異り、これからは定期昇給による自動的な賃金率の引上げはそのまま企業の賃金コスト負担増になり労働分配率を引上げ、内部資本蓄積を難しくするおそれが大きい。このような矛盾の拡大を防止するためには、企業はこれまでのような定期昇給制度を根本から見直す事が必要になるだろう。どのような見直しをすればよいだろうか。いつくかの選択肢が考えられる。それらは択一ではなく組合せて選択する事も充分可能である。