ILO一八一号条約が採択されると、日本政府は、労働者派遣法や職業安定法を見直して、この条約を素早く批准した。一九九九年労働者派遣法が施行され、それまでは法律で定める業務しか労働者派遣を認めないことにしていたもの(ポジティブリスト方式)を、法律で労働者派遣を禁止する業務を指定し、その他は自由に認める方式(ネガティブリスト方式)への大転換が行われた。「派遣対象業務の自由化」として大問題になったこの見直しによって、それまで専門性が確立された(労働市場において競争力が強くダンピングされにくい)業務や特別な雇用管理が必要な業務でしか認めなかったものを、建設・警備・港湾運送・医療・製造の業務は派遣禁止としたが(適用除外業務)、それ以外の一般事務など広範囲な分野で導入できるようにした。
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しかし「受け入れ自由」が完全に認められたわけではなく、解禁された新業務による派遣は、臨時的・一時的な労働力需給の必要に基づいて認める趣旨から、厳しい期間制限が設けられた。つまり、新業務では、同一の業務で継続して一年を超えて派遣労働者を受け入れることが禁止され、これを超えて受け入れた派遣先は、労働者の求めにしたがって派遣先が雇用責任を負担しなければならないこととし、それを派遣先が拒否したときには、厚生労働大臣が直接雇用を勧告するという制度が盛り込まれた。この期間制限は、二〇〇三年の改正で、一定の手続き(派遣先事業場における過半数組合ないし過半数代表者の意見聴取)のもとに最大三年まで許容する規制緩和が行われた。あわせて、ネガティブリストのなかに掲げられていた製造や医療での派遣が解禁された。