大学院を卒業したり、資格を取ったりしても(弁護士、医師、公認会計士クラスの大型資格は別だが)、それだけで転職の際の人材価値が目覚ましく向上することはない。こと転職に関しては、「資格を取ってから打って出よう」というのは、回り道だ。とはいえ、自分を売り込んだり、仕事に専念するよりも、資格の勉強をする方が精神的には楽なので、そういった方向に逃避する心理は想像できる。めぐり合わせによっては、私もそうしなかったとは言えない。
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ただし、次のようなことも考えてほしい。大学院や専門学校通いは、人材価値にとって必ずしも有効な「投資」とはならないのだが、勉強の意義は何も「投資」ばかりではない。勉強すること自体に意義を感じて、勉強をいわば高価な「消費」として楽しむ動機で学校に通うことにもっと意義を見出してもいいのではなかろうか。知識が人生を豊かにしてくれることを思うと、この獲得を定年まで引き延ばすのは人生の無駄だ。それぞれの分野について、ある程度の基礎知識を得ると、情報が発達した現在、大学に行かなくても、専門的な論文を読むことができて、自学自習、場合によっては、自分で研究ができる分野も多い(特に社会科学系の分野には多い)。就職・転職のために、といったケチなことを考えずに、強引に時間を作って、大らかに勉強「も」してほしいというのが、特に、若い人に伝えたいメッセージだ。