参考になるオランダモデル

2012.01.07

非正規雇用の増加傾向が今後も変わらないとすれば、政策課題として重要なことは、非正規雇用と正規雇用との間の雇用条件の均等化を図っていくことである。オランダの政策措置は、日本にとって参考になると思われる。オランダでは、法律によって、正規雇用と非正規雇用の雇用条件における差別を明確に禁止し、企業が差別をしないための仕組みを作り上げている。パート労働の顕著な増加傾向など、最近の日本の雇用情勢を背景にした時、日本においても早急に取り組むべき政策課題である。

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均等待遇の実現は、オランダのみならず、実はヨーロッパ全体の政策課題となっていることを忘れてはならない。九七年にEUにおいて採択された「パートタイム労働に関する指令」によれば、労働時間の違いによって、パートタイム労働者とフルタイム労働者の待遇を区別してはいけないことになっている。待遇上の差異とは、職場の安全・衛生、労働環境、報酬、休日手当、解雇手当、退職金などである。ベルギー・英国を除いて、デンマーク・ドイツ・ギリシャ・スペイン・フランス・アイルランド・オランダ・オーストリア・スウエーデンがすでに二〇〇〇年の時点で均等化措置の導入を終了している。オランダでもそうだが、ヨーロッパ諸国でパート労働が急速に増加している背景の一つに、家庭生活と働くことの両立がある。ヨーロッパでは、パート労働の浸透はワークシェアリングを促進するという見方があったが、最近は「職業と家庭生活の両立を図る」という観点が重視されている。これは日本においても、見習うべき重要な点であるが、パート労働の定義がヨーロッパと日本で違うことには、注意しておく必要がある。ヨーロッパにおけるパート労働は、フルタイム労働とくらべて、単に働く時間が短いという違いしかなく、それ以外の条件は、基本的に変わらない。しかし、日本では一般的に、雇用期間も短い労働者というイメージが強い。もちろん、日本でも終身雇用のパートタイム労働者がいないわけではないが、数は少ない。こうした点も含め、ヨーロッパ型に変化させていくことも必要であると思われる。日本においても、女性の労働市場への参加が重要な政策課題となっているが、子育てなど家庭生活との両立を図る観点からも、非正規雇用と正規雇用の労働条件の均等化を図ることが喫緊の課題となっていると言ってもいいだろう。




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